現代西洋医学は、解剖学、生化学、生理学、病理学、免疫学などの学問の上に成り立った治療学であり、万能であると思われてきました。
しかし、その西洋医学でも治らない病気が数多くあり、近年、漢方医学などの伝統医学に注目が集まっています。
西洋医学と漢方医学の薬や鍼灸を用いて病気が治る場合は良いのですが、それでもまだ完全に治らない難病が数多く存在します。
昔、漢方を習っていた時に、薬や鍼灸などを用いるだけではなく、人間の個々の体内に備わっている自然治癒力を最大限に引き出し、病気に立ち向かう「養生(ようじょう)」について教わった事を思い出します。
養生には、「断食」や神農本草経(しんのうほんぞうきょう)、黄帝内経(こうていだいけい)に書かれた食品を用いた「食養生」、「鍛錬(たんれん)」、「姿勢」、「心の持ちかた」などが細かく説かれています。
北里研究所附属東洋医学総合研究所の初代所長を務めた大塚敬節(おおつかけいせつ)先生は、その著書『漢方医学』(創元医学新書)において、自らの体験をもとに、薬よりも日々の食養生の大切さを述べられています。
また、食養生は、個人差を大切にして、体質に適した方法で行うのが良いと述べています。
そのほか、漢方医の先達、小倉重成(おぐらしげなり)先生は、西洋医学や漢方を用いても治らない難病に対して、1日1食玄米菜食を中心とした食養生や運動、鍛錬、断食、心の持ちかたなどを、その著書『自然治癒力を活かせ』(創元社)」に事細かく述べられています。
小倉先生曰く、病気や、病気になってからの治りにくさは、我々個々人の日々の食生活を含めた日々の生活習慣が原因になっているとの事で、とても参考になります。
前述した大塚敬節先生著の『漢方医学』と小倉重成先生著の『自然治癒力を活かせ』は、治りにくい病気に悩んでいる方には是非読んでもらいたい著書です。
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