内科・漢方内科|横須賀市 久里浜
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2023.2.20

当帰のお話

生薬「当帰」とは

当帰」は、女性の健康な体作りには欠かせない生薬として知られているセリ科の植物です。

強い芳香があり、紫色の茎の上に小さな白い花を咲かせます。薬用として用いるのは、地中に約30センチ程伸びた肥厚性の根の部分です。

根そのものに弾力があり、香気が高いものほど上等品とされています。

血(けつ)を補い、体を温め、血の巡りをよくすると言われ、中国では昔から「女性の宝」として重宝されてきました。中国の民話にも、病に倒れた女性が、当帰の根を食べると、みるみる回復したという逸話が伝わっています。


「当帰」が含まれている漢方薬

現在頻用されている漢方薬の中にも当帰が含まれている処方は数多く存在します。

「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」は女性の冷えや月経困難症、更年期障害などに使用されています。

「当帰飲子(とうきいんし)」は湿疹などの皮膚病に使用されています。

血(けつ)を補う代表処方の「四物湯(しもつとう)」には、当帰が欠かせない生薬として含まれています。

四物湯を含む「十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)」や、「温清飲(うんせいいん)」、「弓帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)」、「七物降下湯(しちもつこうかとう)」など、その用途は幅広いものがあります。


血虚(けっきょ)

血虚(けっきょ)と呼ばれる補血剤(ほけつざい)に、「当帰」は多く含まれています。

血虚(けっきょ)とは、血(けつ)の持つ栄養および滋養作用です。

血虚(けっきょ)があると皮膚の色つやがなくなり、肌ががさついて、頭がボーっとし、めまい感を自覚することがあります。

当帰には安胎作用があり、妊娠した女性にも用いられてきました。


「当帰」を含む処方は多彩

また当帰を含む処方だけ見れば、「胃風湯(いふうとう)」、「温経湯(うんけいとう)」、「乙字湯(おつじとう)」、「加味帰脾湯(かみきひとう)」、「帰脾湯(きひとう)」、「弓帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)」、「滋陰降下湯(じいんこうかとう)」、「当帰建中湯(とうきけんちゅうとう)」、「加味逍遙散(かみしょうようさん)」、「潤腸湯(じゅんちょうとう)」、「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」、「当帰湯(とうきとう)」、「疎経活血湯(そけいかっけつとう)」、「女神散(にょしんさん)」など、その用途は多彩です。


今回は「当帰」という一つの生薬に焦点を当てて述べてみました。

◇  ◇  ◇  ◇

(院長: 小野村)




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