そして、ある時、細胞が他の細胞を飲み込むという偶発的な事態が起こりました。やがてある細胞は、他の細胞を飲み込むことで、飲み込んだ細胞の生成した有機化合物を、自身の栄養として生きてゆくという事を糧として存在するようになります。
つまり、究極の「食べるということは、他の細胞の栄養やエネルギー元を自分の物とするすること」ということが常態化しはじめます。
食べるということは、それぞれの個体が、別の個体を飲み込み、飲み込まれた個体から、有機化合物や、酵素、ビタミン、微量元素、遊離した金属の分子などを上手く取り入れ、個体を成り立たせている細胞やその細胞からなる臓器に栄養素を分解し、蓄積し、飢餓から逃れて、生命を成り立たせて行くことにつながるのではないか。このような考え方から、科学的な分析が始まり、やがてオーソモレキュラーという考え方が作り出されました。
つまり、食べるということ事態が医療であり、食を科学的な視点から、細かく段階を踏んで分析します。
我々人類にも個体差があり、西洋医学に代表されるような、統一され純粋に生成された化合物を飲むことが医療の方法ではなく、人種、民族、性別、年齢、その時々の体のコンディションを考慮しながら、その時々に応じて、過不足なく最適な栄養素を摂取し、免疫力や体のバランスを整えることを目標として生み出されたのが、オーソモレキュラー医療の体系です。
簡単に言えば、季節や時間に応じて最適な栄養素を、どの様な方法で摂取し、不足しているビタミンなどの栄養素を最大限取り込むのか、体が不要としている物質をどのように解毒するのか、時にはファステイングと呼ばれる断食を用いて、最大限に個体の細胞の能力を引き出す方法を考えてゆく事が、本来の「食べるということ」なのではないかと常に目を向け考えて行くことがオーソモレキュラー医療の原点です。
あまりにも壮大な思考法に基づいた医療のため、1ページでは収まりようがありません。
今後は、総論、各論を含めて、各病態ごとの解説ができればと思います。
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